【悩みの解決 ~思考VS感覚 敵対から共働へ】
昨日の続きです。
私たちが何かに悩む時、そこには思考VS感覚の図式が成り立っています。
それはあたかも、頭で考える事(思考=顕在意識)と身体で感じる事(感覚=無意識)が、綱引きをしているような状態です。
それでは、そのような状態を解消し、悩みは解決するためにはどうすればよいのか。
答えは、思考と感覚が綱引きをやめて、同じ方向に進むようにすればよいのです。
そのような状態を自己一致といいますが、どのようにその状態を作り出すかについて、今日は書きたいと思います。
対立している思考(顕在意識)と感覚(無意識)は、もちろん私たちの重要な一部であり、私たち自身です。
ですからお互いに対立し、正反対の反応を引き起こすことで、悩みを作り出しているように見えても、その深い部分では私たちを支え生かし守りたいという意図や目的が、二つの心のそれぞれにあるのです。
二つの心が表面的に敵対することで、私たちは悩みをかかえ葛藤するのですが、それらが実は同じ目的を持っていたということを知ることが出来れば、全てが敵ではなくなりお互いが信頼できるパートナーになれます。
呉越同舟、思考と感覚が信頼できるパートナーとして同じ目的のために、同じ方向性を持って共働してくれるようになります。
そのようになるためには思考と感覚が、ある悩みや問題に潜む共通の意図や目的を知ることが、具体的な解決につながります。
例えば「子供にやさしく接していきたいのに、ついきつく叱ってしまう。」ということで悩んでいる母親の場合、思考(顕在意識)は、「子供にやさしく接したい」ということを望んでいます。
しかし感覚(無意識)は、「子供をきつく叱ってしまう。」という結果をもたらしてしまっています。
明らかに反する結果が生まれることで、悩んでいるのです。
そこで、思考(顕在意識)と感覚(無意識)それぞれの心に次のように質問します。
思考(顕在意識) に対しての質問
「そうすることで、どんなよいものが手に入りますか ?」
感覚(無意識)に対しての質問
「そうすることで、もしよいものが手に入るとしたら何ですか?」
まずは「子供にやさしく接したい」と意図している思考(顕在意識)に対して質問します。
質問「子供にやさしく接することで、どんなよいものが手に入りますか?」
答え「よい母親でいられる」
質問「よい母親でいられることで、さらにどんなよいものが手に入りますか?」
答え「自分を肯定できる」
質問「自分を肯定できれば、さらにどんなよいものが手に入りますか?」
答え「このままでいいんだという安心感」
次に「子供をきつく叱ってしまう。」という結果を作り出している感覚(無意識)に対して質問します。
質問「子供をきつく叱ってしまうことで、もしよいものが手に入るとしたら何ですか?」
答え「子供がきちんと育ってほしいという想いがある」
質問「子供がきちんと育ってほしいという想いがあることで、さらにどんなよいものが手に入りますか ?」
答え「母親としての責任感をしっかり持っている」
質問「母親としての責任感をしっかり持っていると、さらにどんなよいものが手に入りますか?」
答え「自分を肯定できる」
質問「自分を肯定できれば、さらにどんなよいものが手に入りますか?」
答え「このままでいいんだという安心感」
このように思考(顕在意識)と感覚(無意識)は、「自己肯定感を育み、このままでいいという安心感を得たい」という共通の目的を持っていたということです。
そうなると、今まで敵対していた二つの心が、共通の目的のために共働してくれるようになります。
その結果として悩みを解消し、問題を解決する力を発揮できるようになります。
もし今悩んでいることがあれば、そこにどんな「思考VS感覚」の図式が成り立っているのかを観察し、「そうすることで、どんなよいものが手に入りますか ?」 と繰り返し質問をすることで、二つの心に共通の意図を見つけてください。
そうすると問題に関する感じ方や、解決に対するモチベーションなどが一変し、もっと自由に様々な選択が出来るようになる可能性が高まります。
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