【感情の解放 ~陰と陽のバランス】

 先日とても頭にくることがあり、久しぶりに怒りを爆発させてしまいました。ただ 相手に直接怒りを爆発させたのではなく、自分自身の中にある怒りの感情をしっかりと感じて、自分なりに表現することで自己完結できたということで、相手に暴力をふるったとか暴言を吐いたとか言う事では決してありません。 何をしたかというと、誰もいないところで、相手を罵倒する言葉を遠慮なく小声(笑)で叫びました。 「あほ バカ ぼけ かす うんこたれ!」なんとそんな時に自然に出てくる言葉が小学生の時と全く変わってない自分のボキャブラリーの貧しさにある意味唖然としましたが、次の瞬間怒りが笑いに転換され、笑い転げてしまいました。 誰かに見られたらかなりやばい、完全に危ない人ですね。 そして今まで感じていた怒りは、その瞬間どこにも見当たらず、無事にお帰りいただけたようです。 物理の世界では、振り子がある方向に振れると、次の瞬間に振り子は逆へと振れます。 これは単純な物理学ですが、宇宙の基本的な法則でもあり、全てのものに当てはまると言っても良いと思います。 中医学にこんな考え方があります。 「陰極まれば陽に転ず。陽極まれば陰に転ず」 これは陰と陽という2つのエネルギーが、お互いバランスをとることで、この宇宙が存在している、という宇宙の法則なのです。 たとえば陰だけが大きくなった状態は、エネルギーバランスが悪く、宇宙を維持することは出来ません。 結果として、大きくなりすぎた陰のエネルギーは自然に陽へと転換することで、バランスを取ります。 陽が大きくなりすぎた時も同様のメカニズムが働きます。 このようにしながら、宇宙はいつでも自らのエネルギーのバランスを整えながら、成り立っているのです。 私たち人間も、宇宙に属する以上この法則の支配を受けています。 これを私たちの心に当てはめると、ある人に対して強い怒りを感じた時、怒りはネガティブな感情だからとか、大人だから怒りを露わにしてはいけないとかの理由をつけて、感情エネルギオーを中途半端に我慢して抑圧してしまうと、それは非常に悪いバランスとして私達の無意識の心の中に留まってしまいます。そしてそのようなアンバランスな状態が続くと、それらは心と体に悪さをし始め、ひどい場合病気になってしまうかもしれません。 しかし、怒りをしっかりと感じて、これでもかというぐらい思いっきり爆発させると、まるで陰のエネルギーがある閾値に達した時に陽に転じるように、怒りがなぜかお笑いに変わってしまうような事が起きます。 真剣に怒っている自分がなんだかおかしくなって気がつくとわけもなく 笑い出す。そんな体験をしたことはありませんか? 宇宙に陰を陽に、そして陽を陰に変換してくれるメカニズムがあるように、私たちの無意識のこころにもそれと同じような機能があります。ホメオスタシスといわれる自律作用がその役わりを果たしてくれるのです。 それはネガティブな感情にのみ働くのではなく、その逆にも作用します。 例えば、あまりにも嬉しいことや楽しいことがあると、なんだか幸せすぎて怖くなった、とか、大きな目標が実現した時に、これは夢ではないかと不安になったとか。 これも宇宙と同じメカニズムが働いており、小宇宙である私たちの心にも、ネガティブとポジティブが同居しそのバランスがしっかりと取れることで健康が維持されていくのです。 実際に中医学では、陰と陽はネガティブ、ポジティブという意味とは少し違う意味で使われいます。 それらをどちらも必要な2つのエネルギーだと捉えており、ポジティブでよい感情だとされることの多い「喜び」でも、それのみを追求するような生き方をすると「心経」という経絡の氣の流れに支障がでて、心臓などの循環器に障害が起きますよ、と警告しています。 ポジティブシンキングがもてはやされている現在ですが、ポジティブ、ネガティブはそのまま善い、悪いではないのですが、そのことについてはまた違った機会に書いてみたいと思います。 心の浄化を考えた時、中途半端がもっともよくないのです。 たとえ怒りのようにネガティブな感情であったとしても、しっかりとその感情を味わって、日常生活や人間関係に実害のないような形でしっかりと表現することで、自然とバランスを取って、平穏な心の状態へと戻って行くことができます。 そのようなことを続けていくことで、心身ともに健康に過ごすことが出来るようになります。 今後、ネガティブな感情を感じた時は、いつものように我慢するだけでなく、しっかりと味わって表現できる、自分なりの方法を探って試してみてくださいね。   

マインド・ボディセラピー研究所

mind 心・body 肉体・energy氣 のバランスが取れてしっかりと噛み合っている時に、人は健康でイキイキと歩めます。しかしバランスが崩れてかみ合わなくなると、心や体に何らかの問題が生じます。 そのような時、mind 心・body 肉体・energy氣 の3方向からアプローチするのがマインド・ボディセラピーであり、そのようなアプローチが出来るセラピストを育成しています。

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